▼ポルフェノールって聞いたことはありますか？

ポルフェノールは、植物の色素や苦味成分。

その数は約３００種類といわれ、それらすべてに体内のさまざまな部分で働く抗酸化作用があることで今、注目されています。

「フランス人は動物性脂肪を多く摂取しているにもかかわらず、動脈硬化性疾患が少ないのは、赤ワインでポルフェノールを摂っているから」この学説で、有名になったポルフェノール。

これは固有の成分名ではなく、化学構造式上で２つ以上のOH（水素其）を持つものの総称で、昔から知られているタンニンをはじめ、健康意識の高まりで最近よく耳にするようになったアントシアニンやカテキン、イソフラボン、ルチンなどもポルフェノールの仲間です。
ポルフェノールは植物の光合成によって作られ、種類を問わず活性酸素を除去する抗酸化作用があるとされています。抗酸化物質を持つ成分で代表的なものは、β-カロテンやビタミンC・Eなどがあげられますが、β-カロテンとビタミンEは脂溶性で主に細胞の脂質部分、ビタミンCは水溶性のためそれ以外の部分で働きます。

一方、ポリフェノールは細胞間の水性部分を中心に、一部は細胞内の脂質部分、さらには細胞膜でも働くといわれています。体内のさまざまな部分で抗酸化作用を発揮し、活性酸素によって最もダメージを受けやすいと考えられている細胞膜でも働くことで、注目されています。
ポルフェノールには、化学構造式上で最低２つのOHがありますが、この部分が抗酸化作用を持つと考えられています。そして残りの部分が、固有の性質を表します。

例えば、ぶどうやブルーベリーに含まれるアントシアニンは、肝臓や目の機能をサポートすることで有名です。また、緑茶に含まれるカテキンは、以前からしられていた殺菌作用に加え、最近では体脂肪のコントロールなども注目を集めています。

このほか、大豆のイソフラボンには女性ホルモンと似た作用があり、そばに含まれるルチンには血管をすこやかにする働きがあるといわれています。ポルフェノールは体内に蓄積されず、一度に多量に摂っても２〜３時間しか効力を発揮しないといわれています。常に体内をポルフェノールで満たしておくためには、毎食に加え、間食時やお茶などでも補給する習慣をつけるのがよいでしょう。

また、ポルフェノールの多くは水に溶け出しやすい性質であるため、果物や野菜で摂取する場合は、洗い過ぎたり水にさらし過ぎたりしないようにするのも、上手に摂取するコツです。さらに上級の摂り方としては、種類によって異なるポルフェノールの働きを把握し、自分の目的に合わせて選択する方法もあります。

主なポルフェノールの仲間
成分名　　　　　　多く含まれる食品
アントシアニン：赤ワイン・ぶどう。ブルーベリー・なすなど
イソフラボン　：大豆など
カテキン　 ：緑茶など
タンニン　 ：緑茶・コーヒーなど
カカオマスポルフェノール　：ココア・チョコレートなど
フェルラ酸　 ：米ぬか。発芽玄米など
ルチン　 ：そばなど
ウーロン茶ポルフェノール　：ウーロン茶

ポルフェノールを多く含む食品
飲料　 ：赤ワイン・緑茶・コーヒー
果物　 ：バナナ・マンゴー・ブルーベリー・ぶどう・りんご
野菜　 ：春菊・れんこん・ししとう
その他　：納豆・そば・ミルクチョコレート